
ブランディングLabo支部の6月月例会で、池田真須美さんによる「バックエンドにつながるフロントエンドの作り方」についての10分セミナーが開催されました。
フロントエンドの満足度は高いのに、なぜかバックエンドにつながらない...そんな悩みを抱える方に向けた、実践的な内容をお届けします。
なぜフロントエンドの満足度が高いのにバックエンドにつながらないのか?
池田さんによると、この問題の核心は「情報提供型」になってしまっているから。
親切心から「あれも教えたい、これも伝えたい」と情報を詰め込みすぎると、参加者は「お腹いっぱい、満足です」となってしまい、次のステップに進まなくなってしまうのです。
大切なのは、販売促進型への転換。
「もっと知りたい」と思わせることが、バックエンドへの橋渡しとなります。
フロントエンドとは何か?
フロントエンドは「集客商品」であり、商品・サービスの価値を体験してもらう場所です。
お客様が購買しやすいように階段状に設計することが重要です。
もし「なかなかフロントに人が来てくれない」という状況なら、フロント商品そのものを見直す必要があります。
集客の役目を果たしていないフロントは、タイトルを変えるだけでも効果が期待できることがあります。
身近な企業のフロント商品例
サイゼリヤ
- フロント商品:ミラノ風ドリア(300円)
- 300円という驚きの価格設定で集客し、サラダやワインも追加注文されることで客単価1,000円超えを実現
おせち販売
- フロント商品:お試しおせち(500円)
- 500円とは思えないクオリティで味見してもらい、気に入ったら本商品を購入してもらう戦略が大当たり
コンビニ
- フロント商品:コーヒー
- コーヒーだけのつもりで入店した客が、菓子パンやラーメンなども購入する仕組み
潜在ニーズに気づかせることの重要性
ニーズには「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」があります。
顕在ニーズ:すでに表に現れているニーズ
- 綺麗な文字を書きたい
- 髪型をどうにかしたい
- 子育てと仕事を両立したい
潜在ニーズ:まだお客様が気づいていないニーズ
- 骨粗鬆症の例:「去年より身長が低い?」→「年のせいと思っていたら骨粗鬆症だった」
- ファブリーズの例:「家中がバイ菌だらけ」という気づきを与えて爆発的ヒット
ABC理論 - 商品設計の基本
A:見込み客(どんな素敵な未来を手に入れたいと思っているか) B:あなたの商品・サービス C:理想の状態
重要なポイント:AさんをCにしてあげるのがBである、という見せ方をしないと売れない。多くの失敗は、Bから作ってしまうことが原因です。
フロントクラスが成約できない7つの理由
- そもそもターゲットが合っていない
- お客様目線に立てていない
- 信頼関係が築けていない
- 本当の悩みを聞き出せていない
- 話しすぎ
- お客様が今買う動機を提示できていない
- クロージングを意識しすぎてしまう
シンプルな成功法則
真須美さんが強調するのは、とてもシンプルな原則です。
「買う理由を増やして、買わない理由を減らす」
- 買う理由を増やす = 断れないオファーを作る
- オファー以上の価値をつけることで、断る理由をなくす
まとめ
お客様があなたの商品・サービスを買う理由は何でしょうか?
そして、買わない理由は何でしょうか?
これらを明確にすることが、バックエンドにつながるフロントエンド設計の第一歩です。
憶測ではなく、既存のお客様に直接聞くことも重要です。
自分自身が継続して買っているものがあるなら、なぜ買い続けているのか、その理由こそが正解のヒントになるでしょう。
ブランディングLabo支部では、このような実践的なセミナーを定期的に開催しています。
詳細はブランディングLabo支部のWebサイトをご覧ください。